独立系ビルメンのポンコツ率はハンパない
ビルメーンが所属していた独立系ビルメン会社が異常なだけかもしれませんが、とにかく何年経ってもビックリするような事をしてくれる同僚たちが沢山いました。
経験30年以上の大ベテラン
ビルメン会社は日中は常駐者何名、夜間は何名と契約で決まっています。
そこに欠員や病欠で現場だけで足りなくなった時、人数合わせで他現場へ応援を要請することがあります。
そんな欠員対応でビルメーンがとある現場に助っ人で行った時のことですが、そのビルのオーナーが所有しているマンションの住民から
「隣の住民が水道を使う音がうるさい」
とクレームがあり、その現場責任者のベテランとビルメーンがそのマンションまで行くことになりました。
このベテラン責任者、経験30年以上かつ数十人の大規模現場の長です。
もう付いて行って仕事を教えてもらうだけ位の気持ちでいました。
責任者は何が入っているのか分かりませんが、デカい工具箱を持って来ています。
そして現場へ向かうと
ビルメーンは助っ人ですので、他現場はそんな事までするんだと感心しながら現場マンションへ到着すると、マンションというより壁が薄々の完全にボロアパートです。
そしてもう住人同士が今にも殴り合いそうなレベルで言い争っています…。
好きにやらせておけばいいじゃんと思ったのですが、責任者は必死で止めに入るのでビルメーンも止めるフリをします。
話を聞くと
発生源住人「この音聞いてーや!キーてなるねん!!」
あぁ…ですよね。
しょうもない仕事でわざわざ大ベテランが来るほどでもなかったなと思いつつ、その音の発生源の住人の部屋に入ると隣の部屋との間の壁に自分で買ってきたプラベニヤを貼りつけています。
発生源住人「俺は隣のやつがいちいちうるさいから壁にこれ貼って、水道も油スプレー(CRC5-56が蛇口の横に置いてある)したけど音鳴るて言われるねん!」
まず、プラベニヤ軽く貼っただけで大した効果ある?
てか蛇口にCRC5-56吹っかけたの??
まあ別に自分の部屋じゃないんでいいです。
困っているのは間違いない。
助けなければいけません。
ついに大ベテランが動き出す!
責任者「では修理します」
まずは大ベテラン、蛇口の前で固まっています。
しばらく固まった後、ハンドルを開けたり閉めたりしています。
そして悩んでいます…。
え?
大ベテランです。数十人をまとめる責任者です。
ビルメーンとは経験値が全く違いますので、下手に口出しは出来ません!
しばらく悩んだあと
責任者「ビルメーン君、これ何で鳴ってるんかな?」
ボケィ!!!
マジで悩んどったんかい!!
住人に聞かれたら恥ずかしいやないか!
ビルメーン「え?とりあえず三角パッキンの締め付け確認してケレップやスピンドルをみたらいいんではないでしょうか…そしてダメな部品を交換では?」
責任者「それ、コンビニで売ってる?」
笑!!!
ビルメーン「…多分コンビニじゃスピンドルどころかケレップやグリスすら売っていないと思います。さっき通ったホームセンターなら、ほぼ間違いなく売っています」
アカン、オモロすぎる!
いや、てか持ってきてないの?
そのクソデカイ工具箱には何が入っているの?
ビルメーン「すみません、工具箱見せてもらってもいいですか?」
責任者「うん」
中身は工具ばっかり…。
三角パッキンとかケレップくらい持ってこいや…。
もうこのオジさんはダメだ。
ビルメーン「では僕が一度分解してもいいですか?」
責任者「いいの?じゃあ頼むわー」
このひと修理するの諦めやがった…!!
たったこれだけやのにメッチャ手間かかるやん…。
責任者がこのレベルやったら、そら数十人おらな現場回らんわい。
ただ、この大ベテランはとってもいいおじさんなのでビルメーンは何も言いませんし、その後も仲良くお仕事をさせてもらいましたけどね。
これ、嘘みたいな本当の話です。
おわり