基本給が少ないビルメンにとって資格手当はとっても大事
独立系ビルメン会社は基本給が絶望的なくらい少ないです。
もともと一般企業で定年したおじいさんたちがする職業だとビルメーンが入社した時には言われていたくらいですから。
そんな安月給を補填してくれるものが資格手当です。
保有資格の少ないビルメーンが言うのも何ですが、独立系では定期昇給のない会社も多いのでこれで給与を上げるしかないのが実情です。
また会社によって手当の有無、金額、上限はさまざまだと聞きます。
ビルメーンがいた独立系ビルメン会社の例
・2級ボイラー 3,000円(1級8,000円)
・電工2種 4,000円(1種7,000円)
・3種冷凍機械 3,000円(2種6,000円、1種8,000円)
・乙種消防設備士 2,000円(甲種4,000円)
・電験3種 10,000円(2種15,000円)
・ビル管 10,000円
・エネ管 15,000円
他にも手当の付く資格は色々とありましたが、主なものは上記のような感じでした。
ビル管と電験は選任されると10,000円追加という感じで追加手当が貰える仕組みです。
これは金額は違えど、どこの会社でも同じかと思います。
ビルメーンの会社で行われていた方法
消防設備士を1~7類まで取得して(近隣の府県で一気に受験する)
2,000円×7=14,000円
その後甲種1~5類までを取得し
4,000円×5=20,000円
乙種のあとに甲種を取ると差額の2,000円ではなく、4,000円まるまる資格手当が付くので、わざと乙種→甲種と取得していくのです。
甲種を先に取得してしまうと乙種の資格手当は貰えません。
そして消防設備士だけで合計で34,000円の資格手当を荒稼ぎ。
入社直後からこれに専念する新人たちが沢山いました。
ただ、資格手当には上限がある会社があります。
ビルメーンがいた会社でも上限なしの時代から3万円になったり4万円になったりとコロコロ変わっていました。
消防設備士なども、上記の手法を使う人間が多すぎたため、消防設備士は資格手当がなくなりましたし。
手当がなくなってから取る人間激減です。
そりゃね…。
それでもビルメン4点セットはみんな取得する
ある時期からビルメーンのいた会社では4点セットは資格手当が付かなくなりました(2種電工、2級ボイラー、3種冷凍、危険物乙4)
それでも入社してきた後輩たちはまず4点セットを取得しようとします。
これは転職を考えた際に必須扱いされる可能性が高い事、そして特定の官公庁現場では持っていることが配属の条件となることを本人が理解して自主的に取得している形です。
ちなみに実務で4点セットは必要なのか?
ほとんどのビルで答えはNOです。
ビルメンが常駐するような最大電力500kwを超えるオフィスビルの場合、電気工事士は必要ありません。
2種電工は家庭でしか使えないくらいに思って頂ければいいです。
常駐するビルなんて99%が6600V以上の高圧で受電していますので、最低でも認定電気工事従事者の資格が必要です。
最近のボイラーはガス焚きで重油を使用しない上、発電機も資格の必要ない燃料容量ギリギリに設計される事が多いため、乙4危険物も必要なくなってきています。
冷凍機械責任者もほとんどの現場で必要ありません。
ボイラー技士の資格のみ大量の蒸気を必要とする工場や大規模病院などの一部現場で必要となる場合があります。
これも設計で貫流ボイラーを大量に並べて必要ない場合も多いですが。
ちなみにビルメーンが独立系時代に配属された現場で4点セットが必要だった現場は完全にゼロです。
それでも何故か必須と言われる謎の資格、ビルメン4点セットです。
いかにもビルメンテナンス会社、時代遅れな業種ですよね。
おわり